作品紹介・あらすじ
本屋大賞受賞『そして、バトンは渡された』著者の新たな代表作!
音楽と人が生み出す、たしかな希望の物語。
29歳、無職。
ミュージシャンへの夢を捨てきれないまま、怠惰な日々を送っていた宮路は、ある日、利用者向けの余興に訪れた老人ホームで、神がかったサックスの演奏を耳にする。
音色の主は、ホームの介護士・渡部だった。「神様」に出会った興奮に突き動かされた宮路はホームに通い始め、やがて入居者とも親しく...
感想・レビュー (5件)
青年と老人の心の交流を中心に、主人公の青年が新たな一歩を踏み出し始めるまでの物語だった。舞台は老人ホーム。そこに暮らす人々と働く人々が描き出される。思えば、私もこれまで老人ホームに訪問させていただく機会があったし、父が似たようなリハビリ型の病院に入院してた頃もあって、その時のことを思い出しながら読み進めた。 青年の設定が、成長した我が息子(未来像)のように思えてならなかった。物理的に恵まれて育っていたけれども、そのことがコンプレックスとなっていた主人公の心の葛藤が描写されている。対照的に描かれる施設スタッフの青年に自分を重ねてしまう。渡部くんほど、さわやかに働けないけど。自分の境遇を受け入れ、前向きな姿ってかっこいい。
面白いような、かなしいような 複雑
ぼんくらが目覚めるとき
なんと!「あと少し、もう少し」の渡部くんが出てくるのだ!なんと粋な本なのだ〜またすてきな登場人物に再会することができたわくわくといったら!先に読んでおいてよかったです☺ ぼんくらへ宛てた水木のばあさんの手紙はじーんとした。時間薬は日常を送っている人に効果があるとはまたそのとおりだな、と。渡部くんの淡々とした感じが前を向かせてくれる。29歳から30歳を前に、奮起する宮路くん、がんばれよ!ウェイク・ミー・アップウェンセプテンバーエンズというグリーン・デイの曲、東京ブギウギという笠置シヅ子さんの曲に出会えた。
