誰もボクを見ていない

誰もボクを見ていない

山寺香
ポプラ社 (2017年6月28日発売)
ISBN:9784591154601
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作品紹介・あらすじ

一歩踏み込んで何かをすることはとても勇気が必要だと思います。その一歩が目の前の子供を救うことになるかもしれないし、近くに居た親が『何か用ですか?』と怪訝そうにしてくるかもしれない。やはりその一歩は重いものです。そしてそれは遠い一歩です。(中略)  つまり他人、子供への関心、注意を持っていなくては二歩も三歩も子供との距離があります。いや、子供の存在にさえ気付いていないかもしれません。だから、自分が取...

感想・レビュー (1件)

映画を見て元となったルポを読んだ。虐待にもこういうタイプがあるのだと知った。子供を使ってお金を借りさせる。もちろん暴力も振るった、性的虐待もした、学校に行かせないというネグレクトもした。色々な種類の虐待を受けながらも母親が好きと言うか離れられないというのが恐ろしい。それにしても小学校も卒業してないような彼が立派な文章を書き思慮深い発言をして驚異に感じた。支援者もたくさん出てきて具体的に彼と接触したりしている。しかし、彼はふと自分が殺人を犯したらこうやって支援の手が差し伸べられたということに違和感を感じないだろうか…それまでは誰も親身になって彼の声を聞こうとしなかったのに…家族だけの閉じた世界といっても、転々とした先で大人と触れ合ったであろうに…無力を感じていないといいけど。