絞め殺しの樹

絞め殺しの樹

河崎 秋子
小学館 (2021年12月1日発売)
ISBN:9784093866262
本棚登録:0

作品紹介・あらすじ

あなたは、哀れでも可哀相でもないんですよ 北海道根室で生まれ、新潟で育ったミサエは、両親の顔を知らない。昭和十年、十歳で元屯田兵の吉岡家に引き取られる形で根室に舞い戻ったミサエは、ボロ雑巾のようにこき使われた。しかし、吉岡家出入りの薬売りに見込まれて、札幌の薬問屋で奉公することに。戦後、ミサエは保健婦となり、再び根室に暮らすようになる。幸せとは言えない結婚生活、そして長女の幼すぎる死。数々の...

感想・レビュー (2件)

ミサエは丁度幸子さんと同い年。その頃の北海道の様子を知る。場所は根室。牛飼の家(吉岡)は元々屯田兵として北海道に入った一家。それを他の家と違うと自慢し、全ての拠り所となっている。ミサエは10歳から其処の養われ人であり使用人。吉岡の一家から酷い扱いを受けるが、苦労の末保健師になり根室に戻る。結婚し娘ができるが10歳で自殺。原因は最後に分かる。離婚した後生まれたのが雄介で吉岡に請われて養子となる。北大を卒業する前に雄介は育ての母親を、吉岡の家から出るように勧め手配し、自由の身にしてあげ。自分は吉岡の家を牛飼で発展させようと決意する

家に縛られること。出身によって強いたげられること。一昔もふた昔も前の話でしょう。