作品紹介・あらすじ
戦後の京都。着物黄金時代に、考案した帯が飛ぶように売れ、天才と呼ばれた男がいた。娘は七十四歳になって初めて、あまりにも偉大な存在だった父について語る。娘の目を通して見た父の偉大さと意外な温かさ、そして濃厚な家族の歴史を書ききった、林真理子の新たな野心作。
感想・レビュー (1件)
女性が着物を着て過ごした最後の時代に、芸術的なまでに斬新な帯をデザインした男の物語。豪華絢爛な帯、京都大原の御殿、政界財界芸能界の華やかな人脈にまつわる話が縦糸、横糸のように繰り広げられ、やがておなかいっぱいになる。