情念論

情念論

ルネ・デカルト/谷川多佳子
本棚登録:1
岩波書店 (2007年12月31日発売)
ISBN:9784003361351

作品紹介・あらすじ

近代感情論の源泉とされる『情念論』(1649)は伝統のスコラ的見方や情念=悪という見方を否定し、理性の善悪の判断に従う限り、情念に最も動かされる人間が最も多くの喜びを享受すると主張した。心身関係の具体的な説明にみるオートマティズムや脳の知見は、優れて現代的な課題を含む。デカルト解釈の可能性を広げる一書。

レビュー (1件)

情念の動きを冷静に分析しながら、これによって、訓練される知恵を告白しているところが、一番魅力がある。 また、なぜこれらの情念の言葉の意味を僕らは互いに了解できるのか。 僕の喜び、悲しみでもなく、また、君の喜び、悲しみでもない。喜び一般、悲しみ一般の言葉をなぜ、僕らは了解できるのか。 これら一般に了解される言葉には、いつでも、プラトンの影が見え隠れする。

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