作品紹介・あらすじ
仏画、絵巻、浮世絵ーー美に魅了された人々の営みを描いた歴史小説集
六十路を越した老境の絵師・喜平治(宮川一笑)は、肉筆美人画の名手・菱川師宣の曾孫である姉弟と知り合う。絵描きを志す弟の伊平の面倒を見ることになった喜平治は、幼いながらも確かな筋の良さに感嘆するが、折しも町絵師の宮川一門と表絵師の狩野家の間で諍いが起きてしまい……。(表題作「しらゆきの果て」)
鎌倉、戦国、江戸、幕末
時代と歴史を...
感想・レビュー (1件)
仏画、絵巻、浮世絵といった美術に魅了された者たちを描いた計5篇の短編集。時代も平安、江戸、幕末とそれぞれに応じた作品から成っている。それぞれの時代風景と人々の描写はさすが。やや物語の盛り上がりに欠ける感はあったが、中では表題作「しらゆきの果て」、「烏羽玉の眸」は感銘を受けた。
