
らいか
2026年1月15日
小泉セツ「思い出の記」 2026年読書始め。小泉八雲の奥さんである小泉セツが2人の愛しき生活を綴った本。 頑固で偏屈でひとつのことに集中すると周りが何も見えなくなる一国者。でもとても優しく、蜘蛛や蟻や蝶などの昆虫が好きで怪談が好きで日本が大好きな男。そんな変な男を見続けてきたセツの目線で描かれる小泉八雲。なんと愛おしい本なんだろうか。 坊さんになりたがるヘルンに、山鳥のマネをするヘルン、法螺貝を吹くヘルン。そんなヘルンを愛おしい目で眺めるセツ。その情景が目に浮かぶ。 そしてドラマの中でも出てきたヘルンがセツに怪談や講談を話してもらうときに言う 「ただあなたのはなし あなたの言葉 あなたの考えでなければ いけません」 これほんとにいった言葉だったんだ。 でもそれで怪談を自分の頭に詰め込んだから嫌な夢見るようになったとセツが言うのが面白い。 そして訪れるヘルンの最後。自分の死期を悟っていたのだろうか。セツが「天命ならば仕方ないが、少し長く看病したりして愈々駄目と諦めのつくまでいて欲しかった」と書いてあるのに胸が痛む。口のほとりに笑みを残していたのが救いか。
思い出の記
小泉セツ
本棚登録:0人