死のドレスを花婿に

死のドレスを花婿に

ピエール・ルメートル/吉田 恒雄
文藝春秋 (2015年4月10日発売)
ISBN:9784167903565
本棚登録:0

作品紹介・あらすじ

『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス 狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。驚愕の傑作。

感想・レビュー (1件)

ピエール・ルメートル「死のドレスを花婿に」読了。 本の紹介文ではカミーユ警部シリーズである「その女アレックス」の原点と書いてあったので、てっきりシリーズのスピンオフかと思ったのだが違った。でも読み終わってわかる。確かにこれは「その女アレックス」の原点かもしれない。 構成は「ソフィー」「フランツ」「フランツとソフィー」「ソフィーとフランツ」の四章立て。 最初の章「ソフィー」では、ソフィーがシッターとして働く家庭の男児を殺してしまうところから始まる。しかしソフィーには本当に男児を自分が殺したかわからない。なぜなら、これまで記憶にない行動をたびたび繰り返すようになってしまったから。果たして自分は狂ってしまったか...そしてとうとう人を殺してしまったのか... からの、2章「フランツ」からギアチェンジ。 一気に物語が加速する。 そして3章、4章... いやはやすごい...すごい駆け引きだ。 これだからピエールルメートルはやめられない。 ピエール・ルメートル今後も要チェックだね。 でももうカミーユ警部シリーズはないだろうなあ。