
ちりめんじゃこ
2026年8月26日
登場人物の飾らない人間性が良かった。物語のはじめでは冷淡な印象だった主人公の橘樹が、スパイとして音楽教室に潜り込み、浅葉桜太郎先生とのチェロレッスンを経て人間らしく他人を信頼できるようになっていく話。三船の潜入先のフルートの先生や、不眠外来の先生が言うように「信頼」がこの物語の主軸になっていると思う。はじめは透明な壁を他人に作っていた橘も、最後は三船に連絡先を聞くなど、他人への接し方の変化を感じる。なお、三船もその要求を上手くかわしたので、他人を信用していないもしくは信用にたらないと判断しているところが橘との比喩となっているとも思う。中途では裏切りへの心苦しさでしんと心が冷える場面もあったが、最後には心温まる素敵な話であった。
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ラブカは静かに弓を持つ
安壇美緒
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