漢字と日本人

漢字と日本人

高島 俊男
文藝春秋
ISBN:9784166601981
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作品紹介・あらすじ

「カテーの問題」と言われたら、その「カテー」が家庭か假定かあるいは課程か、日本人は文脈から瞬時に判断する。無意識のうちに該当する漢字を思い浮かべながら…。あたりまえのようでいて、これはじつは奇妙なことなのだ。本来、言語の実体は音声である。しかるに日本語では文字が言語の実体であり、漢字に結びつけないと意味が確定しない。では、なぜこのような顛倒が生じたのか?漢字と日本語の歴史をたどりながら、その謎を解...

感想・レビュー (1件)

正に名著! 途中までは延々と説明が続き、詳しく説明しているのに全く分からず、自分が馬鹿になったかと疑う程に理解が及ばなかった。 半分を過ぎたところからようやく歴史的にみて、今の日本語のあり方がわかってきたように思った。確かに幕末に入ってきた西洋の知識や技術は、アヘン戦争の事も有り日本人に衝撃を与えたのだろう。早くその知識を受け入れて西洋に並び立たなければ、日本も植民地にされかねないとの危惧もあったのだろう。 戦後のアメリカ化をみても言える事だが、何故日本人には大所高所から物を見る人間が少ないのだろう?物事はあらゆる方向から見て、尚且つ歴史を考えた上で、国の言語という大事な物をあっさりと変えるなどという事の意味を考えなくてはいけなかった。 それが出来なかった事が、現在の日本人と過去の日本人とを遠く隔ててしまった。それはそうだろう、書き残すべき大切な言語が今ではすっかり昔と変わってしまったのだから。文化の断絶である。又、その頃の日本のトップにいた人達はむしろそうなる事を望んでいた節が見えるのだから頭が痛い。外国人に指摘されなければ自分達の先祖の業績に気づけないなど恥ずかしい。とまぁ、私の理解ではどうしてこうなったという事が懇切丁寧に説明された本である。 今年はこの本をベースにこの問題を、今までとは違った視点で歴史を知る学習をしたいと思う。 そういう意味では、塙保己一記念館に行くのもありだし、幕末からの通訳達について調べることも大切かもしれない。やらなければいけない事は満載なので、既に心折れそうではあるが、気長にやれればと思う。