デイジー

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レビュー

余談ですが、僕の講義で「鬼コース」 を選択した学生たちには、原著論文を毎週100本読むように伝えています。まるで鬼のようなハードワークに見えるかもしれませんが、膨大な量の原著論文に触れることで、自分が専攻する分野の最新の潮流を知ってもらえるからです。これで、 調べるのもまとめるのもずいぶん楽になりました。あとは、自分の身体を使って美術館や博物館に行き、本物に触れる体験をするのもいいでしょう。 また、ニュースから情報を得る際も『― 次情報にあたる”ことを心がけましょう。 ニュースをまとめたものやニュースを引用した発信を鵜呑みにせず、報道機関が初めに報道した大元の情報を調べることが大切です。 僕自身も、毎日自分の知らない知識を埋めるため、生成AIを活用しています。僕はこれを「技術的負債の棚卸し」 と呼んでいます。僕にとっての「技術的負債」とは、自分が日常で触れた技術なのに、自分ではつくれない技術のこと。 新たに読んだ論文に書かれた知らないコードからファミレスで目にしたタッチパネルのコードまで、毎日一個は新たな技術的負債を見つけて、解消するようにしています。コードであれ、ハードなデバイスであれ、作り方がわからなければ、 生成AIに聞けば、作る方法や必要な素材を教えてくれます。 生成AIの利用は、決してコストが安いものではありません。仮に有料の ChatGPT の返答が合計24秒かかるプロンプトを入力した場合、0.14 ドルかかります。約 20円なので、決して安くはありません。 仮に100回何かしらの入力を繰り返す作業であれば、2000円がかかります。場合によっては、時給2000円を支払って人間にリサーチなどを頼んだほうが安く済むこともあります。 生成AIは膨大な計算を必要とするため、電力消費量も大きい。事実、生成AIの利用拡大を受けて、IEA(国際エネルギー機関)は 2026年の電力消費量が今後2022年と比較して、最大で2.3倍になると試算しています。 この電力消費を補う解決策として視線を集めるのが、原発稼働です。昨年もマイクロソフトが原発エンジニアを募集したことが話題となりましたが、20年後、生成AIの利用がより一般的になった時代には、電力需要はより深刻な課題になっているでしょう。

落合陽一責任編集 生成AIが変える未来 -加速するデジタルネイチャー革命ー

落合陽一責任編集 生成AIが変える未来 -加速するデジタルネイチャー革命ー

落合陽一

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