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ホモ・デウス上 ~~人間は宗教や神話といった虚構によって大人数で協力できるようになり、生態系の覇権を手にした ~~農耕開始によって、人間は特別、という意識が芽生え、動物を資産として扱うようになり、人間をも資産として認識されるようになった ~~人間の幸福とは快楽と苦痛からの解放であり、国家や企業といった虚構のために人生を捧げるのは己を欺く人間のやることである ミルは幸福とは快楽と、苦痛からの解放とにほかならず、快楽と苦痛以外には善悪は皆無である、と説く。なにか別のもの(神の言葉や国益)から善悪を導こうとする者は誰であれ、人を欺いているのであり、自分自身をも欺いているのかもしれない 快感の果てしない流れを人間に提供し、けっして快感が途絶えることのないようにできる製品や治療法を開発する生化学的な解決策。一方で、ブッダが推奨するのは快感への渇望を減らし、その渇望に人生の主導権を与えないようにするというのも。 感覚のある生き物から、ただの資源へという動物の降格が、牛とにわとりで止まることは滅多になかった。ほとんどの農耕社会は、さまざまな階級の人々を資産であるかのように扱い始めた。ー。他者を人間より下等な獣としてえがくことが、彼らをそのように扱うことに向けての第一歩だった。こうして農場は新しい社会の原型となった。 ほとんどの人の人生には、彼らが互いに語り合う物語のネットワークの中でしか意味がない。ー。歴史を学ぶというのは、そうしたウェブが張られたりほどけたりする様子を眺め、ある時代の人々にとって人生でもっとも重要に見えることがらが子孫には全く無意味になるのを理解することだ。 企業やお金や国家は私たちの想像の中にしか存在しない。私たちは自分に役立てるためにそれらを作り出した。なのになぜ、気がつくとそれらのために自分の人生を犠牲にしているのか?