匿名ユーザー
2022年6月15日
池田武邦 アメリカに戦争を仕掛けた時点で、いずれ特攻作戦 しかなくなることは決まっていた。特攻だけを取り上げて批判しても意味のないことです。 第一次世界大戦以降、戦争は国を挙げての総力戦になりました。経済力、技術力、そし て資源。国の総合力で勝敗が決まるのであって、軍がどんなに強くても――― 「大和」のよ うな戦艦があっても駄目なんです。 いま考えれば中学生でもわかることなのに、日本 という国は戦争を始めてしまった。なぜそんなことになったのか、それを真剣に考え反省 しなければ、あれだけの犠牲を払って、何も残らなかったことになってしまいます。 軍部が勝手に戦争を始めたという人たちがいます。 戦争指導者たちがすべて悪いんだと。 本当にそうでしょうか。 戦前といえども、国民の支持がなければ戦争はできません。 開戦 前の雰囲気を、僕は憶えています。世を挙げて、戦争をやるべきだと盛り上がっていた。 ごく普通の人たちが、アメリカをやっつけろと言っていたんです。真珠湾攻撃のときは、 まさに拍手喝采でした。 なぜ無謀な戦争を避けられなかったのか。その理由は、日本人一人一人の中にあるはず です。辛くてもそれと向き合わないと、また同じことを繰り返すに違いありません。 戦死者たちは、もはや何も語りません。 かれらの死はいったい何であったのか。それは 戦後ずっと、僕の心にわだかまり続けている問いです。
昭和二十年夏、僕は兵士だった
梯 久美子
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