作品紹介・あらすじ
記者は一度は未知の扉を開けるものだ。「黒い依頼」--誤報と虚報 「共犯者」--誤報と時効 「ゼロの影」--誤報と沈黙 「Dの微笑」--誤報と娯楽 「歪んだ波紋」--誤報と権力 新聞、テレビ、週刊誌、ネットメディアーー情報のプリズムは、武器にもなり、人間を狂わす。そして、「革命」を企む、“わるいやつら”が、いる。『罪の声』の“社会派”塩田武士が挑む、5つのリアルフィクション。誤報の後に、真実がある。...
感想・レビュー (1件)
新聞記者をベースにした短編集かと思っていたけど、最後には全てが繋がり1つの物語だったんだと気付いた。 ウェブニュースやSNSなどにより、新聞やテレビなどのメディアの存在感が薄くなり、コロナ禍を経てさらに、SNSを中心に、マスメディアからの情報は統制されたものというような論調も広がっており、情報の真偽の見極めが難しくなっていると感じる。 本作は、新聞記者という目線で、会社から求められるものと、記者としての倫理観のジレンマで葛藤している人たちの姿を描きつつ、最終話では、新聞記者という立場でありながら、オールドメディアを壊そうと陰謀を企てる人たちに巻き込まれる様子が描かれており、もしかしたら近年のオールドメディアの翳りには、そういう視点もあるのかもという新たな発見もあり、面白く読み終わった。
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